ナスか唐揚げしか注文できない謎の中華料理屋「珍味」
30歳以上の早稲田大学出身者なら誰もが知っているであろう「珍味」という中華料理屋さん。
今はもう閉店してしまったが、かつて本キャン近くにあった「珍味」は早大生にとって名物店だった。
その理由は中華料理屋のくせに、ナスか唐揚げの定食しか注文できないという謎のルールのため。
お店の外の看板には普通の中華料理屋のようにレバニラや野菜炒めなどいろいろなメニューが書かれているのに(たしか最初はラーメンショップ珍味という名前だった気がする)、いざ注文しようとすると店のオヤジがキレ気味に
「うちはねぇ、ナスと唐揚げの店なんだよっ!」
と、怒鳴る。
看板に偽りアリな店なのである。
そもそも店に入った時点でオヤジが
「ナス?唐揚げ?」
と聞いてくるので、どちらかを選ばないといけない。
しかし、そのナスの味噌炒めの唐揚げは抜群に美味いため、常にお昼時には早大生たちが行列を作るほどの人気店だった。
(ちなみに珍味はナス派と唐揚げ派に分かれ、さまざまな論争が繰り広げられていたが僕は断然ナス派でした)
まだ珍味は食べログに掲載されていた
で、この間、何気なくネットで珍味を検索してみると、食べログにまだ掲載されていた。
評価は3.0!
え、あんなに人気があった美味しい店が平均点はずがない。なぜ?
おそらく先日話題になっていた、「食べログ3.0リセット騒動」のせいなのだろう。
しかし、閉店してしまった店の評価までリセットするのはいかがなものか。リセット前は限りなく5.0に近かったはずだ!
…という話を大学時代の友達と話していたら、
「俺的には1.0だね」
そうだった。彼は入学早々、珍味でチャーハンを頼むという失態を犯し、案の定オヤジから怒られるも、頑なに「チャーハンで!」と繰り返した。
結局1時間近く待たされ、お店が空いてきた頃にオヤジから「あ、チャーハンだったっけ?」という一言とともに店を後にした「珍味被害者」なのである。
僕のような珍味ファンからすれば、あんな美味いナスを食べていないのはもったいないし、オヤジの忠告を無視したのだから自業自得だと思うのだけど、そういう客も少なからずいるかと思う。
だから、あながち食べログ3.0の評価は間違っていないのかもしれない。
あー、もう一度ナス食いたい!